灰みの空いろ日記

乱調日々書留

花の色は移りにけりな…

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ソメイヨシノもいいが

大島桜も淡く色を変えて美しい。

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サクラもいいけれど、

桃の花のほうが好きだ。

 

もう半世紀も前、中学校の窓から、土手沿いに広がる桃の畑が見えた。

この季節になると一斉に咲き誇る桃の花をずっと見ていた。授業中だったのか、試験中だったのか。3月だったのか、学期始まりの4月だったのか。生まれて初めて花というものに見惚れて、こういうことで幸せな気持ちになることもあると知った気がする。

 

思えば、あのころ故郷の町は、桃とか、無花果、葡萄、西瓜など果物の産地だった。

50年という時間はさすがに長い。住宅や介護施設や店舗や工場が建ち、桃の木もところどころに残るのみで、中学校の校舎からは土手も見えない。